
いい書は「今ここ」を感じさせる。
それ以外はあり得ないと感じるほどに
絶妙な形と位置でそこに存在する。
墨で書かれた文字や線は、
瞬間を生きている証。
研ぎ澄まされた緊張感。
有無を言わさぬ説得力。
生の極致が現れてくる。
紙の白紙の部分は
決してバックグラウンドではなく、
墨と同列な存在。
文字は絵と化し、象徴と化し、
言葉でない言葉を響き渡らせる。
こちらに書家さんのインタビュー動画もあります。
↓
見る、知る、感じる 現代の書
ムンク展もしていますが、
私にはこちらの書の展覧会の方がインパクトが強かった。
ムンクが死を見つめた生であったなら、
書は死を超越した生なのかもしれない。
「死を超越」とは、死を思い起こさせないほど「生」を感じさせるから。
ムンクもかなりすごい。
基礎がすごくできているのには関心。
色と筆使いが天才的。
若い頃の絵は、自分と外の世界の境界がかなり曖昧でヤバい印象を得た。
イっちゃってる人が描いたような境界を超えた感のある絵もいくつかあった。
精神的にだけど。
実際、ムンクは精神疾患を抱えていた時期もある。
後年の絵は、光が入ってきて、自分が実在感を感じていたようなので良かった。
この二つの展覧会、見ているものは同じかもしれないけど、
それが光として見ているのか、闇として見ているのかの違いなのかもしれない。
どちらも私たちの意識が到達し難い領域を表現しようとしているように思える。
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