
「人事を尽くして天命を待つ2」で、映画の「マトリックス」の青いピルと赤いピルの話を載せました。
『青いピルを飲めば、今までと変わりない生活を選ぶことができ、赤いピルを飲んだらもうその世界には戻ることができないが、真実の世界を経験することになる』という選択でした。
私がこれを載せた時点では、私たちの生活に深くしみ込んでしまっている権力者にコントロールされた世界に気づき、その洗脳社会から目覚め、真実の自分を生きる選択をするかどうか?ということ、また、エゴに支配されている自分の思考から解放されることだと思っていました。
確かにそうなのですが、予想とは少々違う目覚めでした。
先日の大飯原発再稼働の時の原発前での抗議行動、あれが私にとっての引き金となったようです。
もうそれまでの世界には戻れないなと思いました。
差別、不公平、少数派、弱者、権力、支配、無視、ご都合主義、、、、
世界に溢れる貧困、飢餓、ストリートチルドレン、紛争、テロ、天災、環境破壊、病気、暴力、不条理etc、惨事は耐えることなくいつもこの地球上のどこかで起こっています。
東日本大震災〜現在の福島でおこっていること、原発、いじめ、差別、、日本でもいくらでもあります。
311以前からもずっとずっとあったことです。
知っていたけど、わかっているけど、自分ではどうしようもないように思われること、、、。
それらを見て見ぬフリをして毎日を過ごし、そのうちそれに慣れて気にしなくなる。
アフリカで飢餓があっても、中東の紛争でたくさんの人が亡くなっても、東日本大震災、原発事故があっても自分は普通に暮らしている。
寄付したり、なにかの活動に参加して関わるかもしれないけど、自分の欲求や幸せを満たすことのほうを優先する。
自分の中のそのごまかしに気がついてしまいました。
それが私が飲んだ赤いピルでした。
世の中の不条理は自分の中にある不条理でもあります。
野田総理と双葉町町長さん。
森まさこ議員が言及していますが、この質疑応答にはその構図がよく現れていると思います。
私たちの中にも野田総理のような存在がいます。
インナーチャイルドや内なる声を無視し続ける自分の中のエゴ総理。
自然に生かされていることへの感謝を忘れ、自分の目的や体制のために他を犠牲にする姿勢。
鉄仮面をかぶり、すっかりそれが本当の自分だと思い込む、等。
今、多くの人の心がどうしようもなく生命の本質からずれてしまっています。
私たちは野田総理を見ながらそのズレに気づいてきています。
支配層に支配されている私たちも、家族やパートナー、部下、知り合い、弱者を支配、批判、差別して、、、やってやられて、全部、同じなんですね。
論議は必要なことですが、お互いが「自分の考えが正しい」と主張することのなれの果てが戦争です。
男性原理社会は常にこの問題を抱えています。
このやり方にはもう限界が来ていると思います。
ひとつの対立を解決させてもまた次の対立が現れ、エンドレスに続きます。
そうやっていては世の中に平和はやってきません。
最近、宮沢賢治が気になっていましたが、まさに彼の「農民芸術概論綱要」の有名な言葉『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』の意味が身にしみているこの頃です。
序論
……われらはいっしょにこれから何を論ずるか……
おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい
もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい
われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった
近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である
まさに今『自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化』しています。
私たちは自分の中にある支配構造、ご都合主義に気づかないといけません。気づかないとそこから出ることができませんし、『一の意識』にもなり得ません。
それは日々、毎日の日常生活の中で起こっていることです。
私自身、自分の中にあるその矛盾や不条理、それに同意できない自分がいるからそこに反応する自分がいます。
私は私で自分を見つめて新しい境地に立たなければいけません。
今盛んになってきている原発抗議行動も、自分の今の生活が脅かされるからという理由だけで参加している人は少ないと思います。
自分のためというより、子供たちのために、地球や自然を守るために、ともっと大きなかけがえのないなにかのために動いているのでしょう。
これからはどんどんと女性原理のエネルギーが現れてきますから、この傾向は強まっていくでしょう。
『新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向』にあります。
「良心」に目覚め、行動することが今、必要な「目覚め」だと私は思います。
それは自分の中の元凶に気づくということかもしれません。
一人一人が自分の中のそれに気づき、そこからブレイクスルーするととてつもない慈しみの心がわき起こるでしょう。
個人の中でそれが起こらなければ、社会現象として大きな悲しみにまた直面することになるのか?
それを乗り越えたのち、やっと人びとは慈しみの心に目覚め出すのか?
自分の中の慈悲心、良心に目覚め,行動すること、それが今求められていることであり、分岐となるところのようにも思います。
ごまかしが続けば爆発します。
きれいごとはもう終わりましょう。
『私たちは血を吐きつつ、くり返しくり返し、その朝をこえて飛ぶ鳥だ!!』とナウシカは言いました。
私たちは今、いのちの本質に向かっています。

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